ブラック企業が令和の時代になってもまだまだ沢山ある日本。
毎日上司に膨大な量の仕事を振られ、残業や休日出勤だらけで給与も低くく、身も心もクタクタ。
そんなブラック企業とは正反対のホワイト企業ももちろん存在します。
ホワイト企業に就職した人は人間関係はもちろん、休日もしっかりとれて趣味も充実した楽しい人生を送っていることを目にしたり聞いたりして羨ましいかと思います。
ここでは
- 自分の会社がブラック企業か疑いを持っている人
- これからホワイト企業に転職を考えている人
を対象にしたブラック企業とホワイト企業の違いについて紹介していきます。
もしブラック企業に勤めているならば、人生の無駄でしかないので早めにホワイト企業に転職することをオススメします。
ブラック企業とホワイト企業と違い
まず初めに「ブラック企業」とは、従業員の権利を無視し、過剰な労働時間や違法な労働条件などを課す違法・不正な企業のことを指します。「ホワイト企業」とは、従業員の健康や働きやすさを重視し、法律や社会倫理に基づいて運営されている企業のことを指します。
では具体的に「ブラック企業」と「ホワイト企業」の違いはどのようなものがあるかというと以下の通りです。
以上がブラック企業とホワイト企業と違いとなります。
次にこれらをポイントごとに詳しくみていきましょう。
労働時間の長さ(残業や休日の多さ)
ブラック企業とホワイト企業には残業や休日出勤、就業前の準備による労働時間の長さに違いがあります。
残業や休日出勤と言ってもそれ自体がブラックではなく、どうしても緊急性のあるトラブル時や繁忙期で需要に対して供給できるように労働時間が長くなってしまいます。ただ、それが毎日になって常態化している会社は、社員の体調よりも利益を優先しがちで馬車馬のように働かせることに何とも思っていません。
また、就業前の60分前など早い時間から出社(早出)して準備や掃除を強いたり、調べものや資料作り、会議などは就業時間外として考えている会社も存在し、結果的には労働時間が長くなることに繋がります。
残業に対する意識
ブラック企業とホワイト企業には残業に対する意識の差に違いがあります。
先に述べたように残業自体はブラックではないですが、常態化しているとなると危険です。
労働基準法では原則として法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて労働させてはいけないことになっています。ただし、法定労働時間を超えて時間外労働及び休日勤務などをする場合には、労働組合などと書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出なければなりません。(36協定)
当然ですが届け出がされていないと法律違反です。
法律違反をするような会社はコンプライアンス意識が低い為、未払いの残業、早出、休日出勤が横行し、勤怠記録には嘘の記録で捏造していたります。
また、みなし残業(固定残業代)にすることで、みなし残業分と比較して明らかに多く残業させて、その分を未払いにしているケースもあります。
有給休暇が自由に取れるか
ブラック企業とホワイト企業には有給休暇が自由に取れるかに違いがあります。
有給休暇は原則として雇入れの日から6ヵ月経過し、全労働日の8割以上の出勤を満たした労働者に付与され、その後は1年ごとに勤続年数に応じた日数が付与されます。取得日は、労働者が指定することによって決まります。ただし、労働者の指定した日に事業の正常な運営が困難になる場合は、使用者(会社)は休暇日を変更する権利(時季変更権)が認められています。
年10日以上付与している労働者に対しては、年5日を使用者が時季を指定して取得させることが必要です。
つまり有給休暇を使っていないと会社は法律違反をしていることになります。
また、労働者が有給休暇を自由に取得することができることが望ましいのに、使用者の都合で毎回使わせない・変更する(休みの日に勝手に取得したことにさせる)・取得したことにして出社させるなど自由さがない場合は問題があります。
スキルが身につくかどうか
ブラック企業とホワイト企業にはスキルが身につくかどうか違いがあります。
スキルが身に付くにはもちろん個々の能力の差がありますが、一般的には会社の環境や周りのサポートによって大きく違ってきます。
誰でも初めて取り組む仕事は分からないことだらけです。分からない状態では、会社の環境や周りのサポートがないと期待されているパフォーマンスを十分に発揮することはできません。
上司や先輩からの指導であったり、定期的な研修や資格を取得などを重要視している会社はスキルアップがしやすいと言えるでしょう。
働きながらスキルアップができれば、万が一退職しても高いスキルを持っているので、他の会社に転職することがしやすいです。
会社が社員に金銭の負担をさせているか
ブラック企業とホワイト企業には社員に金銭の負担をさせているかに違いがあります。
会社では社員に支払う給与以外にもさまざまな経費がかかっていますが、中には仕事に必要な道具であったり、社員同士で楽しむイベントなどの経費を自己負担をさせる会社があります。
ただ、自己負担させても、それが違法行為になるような法律上の規定はありません。この法律の抜け穴を利用したモラルのない悪質な会社には注意が必要です。
ノルマが達成可能であるか
ブラック企業とホワイト企業には設定されたノルマが達成可能であるかに違いがあります。
会社の業績を上げていくには社員にノルマの設定が必要です。
ただ、業績ばかりを気にして社員の数やスキルを考えずに何でもかんでも仕事を請け負うとノルマの設定が高くなります。
他にも求人に仕事内容の割りに「頑張れば月給100万円目指せます!」と高額な給与をアピールしている所は、明らかに普通ではないので高いノルマがあると思って下さい。
労働者の権利
ブラック企業とホワイト企業には労働者の権利に違いがあります。
労働者の権利が損なわれないように労働者は会社に労働条件の改善などを目的として結成する団体「労働組合」をつくることができます。
権利が損なわれる例としては有給を取得させない、正当な理由がない不当な解雇、降格、減給、異動、嫌がらせなどの不利益な扱いをすることです。
労働組合が存在していない会社は労働者を軽視し、不当な扱いでも従順な人しかいないブラックな会社の可能性が高いです。
労働組合がない会社で組合をつくる為の条件が満たせない場合は、「社外の合同労組(ユニオン)に加入する」「労働基準監督署に通報する」「弁護士に相談する」ことで解決できる可能性があります。
離職率
ブラック企業とホワイト企業には離職率に違いがあります。
離職率は単純に会社への満足度によって変わり、基本的には給与、福利厚生、人間関係、やりがい、労働時間の長さなどが関わってきます。
会社への不満がある要素が多いほど、体力的にも精神的にも追い詰められて続けられなくなり、最終的に辞めてしまうことに繋がります。
離職率の高さを簡単に見きわめる方法として、求人で大量採用をかけているかどうかです。大量に採用するということは裏を返せば直ぐに人が辞めていくので、過酷な労働環境に数名残ってくれることを見越した採用方法をとっています。
また、1年中いつでも求人を出している場合も危ないです。直ぐに人が辞めたり、誰も応募しないくらい条件が悪いことの表れとなっています。入社しても研修期間もなしに即戦力としていきなり現場に入れられることが多いです。
災害時の社員への対応
ブラック企業とホワイト企業には災害時の社員への対応に違いがあります。
ここでの災害は自然災害と労働災害と2つの事を指しています。
最近日本では異常気象により地震、台風、大雨、洪水、大雪などの自然災害が頻発するようになり、私たちの生活に支障をきたしています。
また、職場での危険な作業によって起こる労働災害も少し気を抜けば生死に関わってきます。
いずれの災害に巻き込まれないように会社側できちんと社員の安全を確保することができるはずです。
社員を信頼しているか
ブラック企業とホワイト企業には社員を信頼しているかに違いがあります。
社員を信用していないと、あの手この手で行動を監視しようとし、息苦しさによる精神的苦痛を感じることでしょう。
社員への洗脳
ブラック企業とホワイト企業には社員への洗脳があるかに違いがあります。
会社は業績を上げる為に社員には頑張ってもらうことが大切ですが、社員の自由意志や尊厳を奪ってまでも会社に尽くす奴隷をつくりあげる洗脳行為は法律的には問題がなくても決して許容してはならないことです。
パワハラやセクハラなどのハラスメントの有無
ブラック企業とホワイト企業にはハラスメントの有無があるかに違いがあります。
ハラスメントには、性的な言動(セクシャルハラスメント)、暴力的な言動(パワーハラスメント)、妊娠や出産を良しとしない言動(マタニティハラスメント)、配偶者の妊娠・出産・育児に参加する男性を良しとしない言動(パタニティハラスメント)、アルコール類を無理に飲ませる(アルコールハラスメント)、内定を出す代わりに就職活動を終わらせる(終われハラスメント)、常識を挙げて非難する言動(モラルハラスメント)などさまざまな種類があります。
これらのハラスメントが常態化している会社では、コミュニケーションや指導の一環と捉えており、相手が不快な思いをすることに対して鈍感になっています。
近年ではようやくハラスメントが問題視されるようになり、会社で厳しく指導したり、相談窓口や労働組合のような相談できる場所が会社に設置されました。
最後に
ここまでブラック企業とホワイト企業の違いを様々なポイントごとに紹介してきましたが、ただ間違いなく言えるのは、大企業であろうともブラック企業はありますし、小さな中小企業でもホワイト企業はあるということです。
会社がブラックかホワイトかは一般的には先に紹介した通りですが、就職活動で全てきちんと満たした会社を見つけることはなかなか難しく、例えば「給与が高いけど遅い時間までバリバリ働けます!」とか「給与が安い代わりに人間関係や福利厚生がしっかりした会社で働きたい!」という自分の働くスタイルや価値観に合わせてみるのも良いと思います。
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