ブラック企業とホワイト企業の違いを知ろう

仕事の悩み

ブラック企業が令和の時代になってもまだまだ沢山ある日本。

毎日上司に膨大な量の仕事を振られ、残業や休日出勤だらけで給与も低くく、身も心もクタクタ。

そんなブラック企業とは正反対のホワイト企業ももちろん存在します。

ホワイト企業に就職した人は人間関係はもちろん、休日もしっかりとれて趣味も充実した楽しい人生を送っていることを目にしたり聞いたりして羨ましいかと思います。

ここでは

  • 自分の会社がブラック企業か疑いを持っている人
  • これからホワイト企業に転職を考えている人

を対象にしたブラック企業とホワイト企業の違いについて紹介していきます。

もしブラック企業に勤めているならば、人生の無駄でしかないので早めにホワイト企業に転職することをオススメします。

ブラック企業とホワイト企業と違い

まず初めに「ブラック企業」とは、従業員の権利を無視し、過剰な労働時間や違法な労働条件などを課す違法・不正な企業のことを指します。「ホワイト企業」とは、従業員の健康や働きやすさを重視し、法律や社会倫理に基づいて運営されている企業のことを指します。

では具体的に「ブラック企業」と「ホワイト企業」の違いはどのようなものがあるかというと以下の通りです。

ブラック企業とホワイト企業と違い
  1. 労働時間の長さ(残業や休日の多さ)
  2. 残業についての認識
  3. 有給休暇が自由に取れるか
  4. スキルが身につくかどうか
  5. 会社が社員に金銭の負担をさせているか
  6. ノルマが達成可能であるか
  7. 労働者の権利
  8. 離職率
  9. 災害時の社員への対応
  10. 社員を信頼しているか
  11. 社員への洗脳
  12. パワハラやセクハラなどのハラスメントの有無

以上がブラック企業とホワイト企業と違いとなります。

次にこれらをポイントごとに詳しくみていきましょう。

労働時間の長さ(残業や休日の多さ)

ブラック企業とホワイト企業には残業や休日出勤、就業前の準備による労働時間の長さに違いがあります。

残業や休日出勤と言ってもそれ自体がブラックではなく、どうしても緊急性のあるトラブル時や繁忙期で需要に対して供給できるように労働時間が長くなってしまいます。ただ、それが毎日になって常態化している会社は、社員の体調よりも利益を優先しがちで馬車馬のように働かせることに何とも思っていません。

また、就業前の60分前など早い時間から出社(早出)して準備や掃除を強いたり、調べものや資料作り、会議などは就業時間外として考えている会社も存在し、結果的には労働時間が長くなることに繋がります。

ブラック企業

毎日残業や休日出勤が常態化していて、就業前の準備や掃除だけでなく、調べもの、資料作成、会議などが就業時間外に行われているので労働時間が長い。
時間外労働に対してサービス残業も当たり前。

ホワイト企業

残業や休日出勤が常態化しておらず、緊急性のある時や繁忙期にあるのみ。
また、就業時間内に準備や掃除、調べもの、資料作成、会議などが含まれている為、労働時間が短い。
時間外労働に対しては

残業に対する意識

ブラック企業とホワイト企業には残業に対する意識の差に違いがあります。

先に述べたように残業自体はブラックではないですが、常態化しているとなると危険です。

労働基準法では原則として法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超えて労働させてはいけないことになっています。ただし、法定労働時間を超えて時間外労働及び休日勤務などをする場合には、労働組合などと書面による協定を結び、労働基準監督署に届け出なければなりません。(36協定)

当然ですが届け出がされていないと法律違反です。

法律違反をするような会社はコンプライアンス意識が低い為、未払いの残業、早出、休日出勤が横行し、勤怠記録には嘘の記録で捏造していたります。

また、みなし残業(固定残業代)にすることで、みなし残業分と比較して明らかに多く残業させて、その分を未払いにしているケースもあります。

ブラック企業

コンプライアンス意識が低く、社員よりも利益が優先で考えてるので残業や早出、休日出勤が常態化しており、それらは未払いが当たり前。
みなし残業の場合はみなし残業分よりも多く残業させてその分を未払い。

ホワイト企業

コンプライアンス意識が高く、勤怠記録は正確な記録で管理。
残業や休日出勤が常態化しておらず、残業代もきちんと全額支給。

有給休暇が自由に取れるか

ブラック企業とホワイト企業には有給休暇が自由に取れるかに違いがあります。

有給休暇は原則として雇入れの日から6ヵ月経過し、全労働日の8割以上の出勤を満たした労働者に付与され、その後は1年ごとに勤続年数に応じた日数が付与されます。取得日は、労働者が指定することによって決まります。ただし、労働者の指定した日に事業の正常な運営が困難になる場合は、使用者(会社)は休暇日を変更する権利(時季変更権)が認められています。

年10日以上付与している労働者に対しては、年5日を使用者が時季を指定して取得させることが必要です。

つまり有給休暇を使っていないと会社は法律違反をしていることになります。

また、労働者が有給休暇を自由に取得することができることが望ましいのに、使用者の都合で毎回使わせない・変更する(休みの日に勝手に取得したことにさせる)・取得したことにして出社させるなど自由さがない場合は問題があります。

ブラック企業

コンプライアンスを遵守せず、個人の自由を奪うことに躊躇いがない。
有給休暇の取得をそもそも認可しない、またはプライベートの理由では認可しない。
会社が休みの日に勝手に使われて有給を消化させられる。
取得したことにして出社させる。

ホワイト企業

コンプライアンスの遵守や個人の自由を尊重する。
有給休暇が旅行やスポーツ観戦、デートなどのプライベートな理由で取得することができる。
会社の都合で取得させることがほとんどない。

スキルが身につくかどうか

ブラック企業とホワイト企業にはスキルが身につくかどうか違いがあります。

スキルが身に付くにはもちろん個々の能力の差がありますが、一般的には会社の環境や周りのサポートによって大きく違ってきます。

誰でも初めて取り組む仕事は分からないことだらけです。分からない状態では、会社の環境や周りのサポートがないと期待されているパフォーマンスを十分に発揮することはできません。

上司や先輩からの指導であったり、定期的な研修や資格を取得などを重要視している会社はスキルアップがしやすいと言えるでしょう。

働きながらスキルアップができれば、万が一退職しても高いスキルを持っているので、他の会社に転職することがしやすいです。

ブラック企業

労働者に慢性的な人手不足な為、研修や資格を取得させる時間が割けないので、仕事の幅が広がらない。
また、研修や資格に対して投資する経費をかけたくなく、中長期的にスキルアップをして会社で活躍させるよりも、目先の利益のみを考えている。
毎日残業やハラスメントによって精神的に余裕がないので、帰宅したり、休日にスキルアップをしようと思えない。
上司や先輩も自分たちの仕事量が多くて余裕がなかったり、間違った時の責任を取りたくないので、教えることを嫌がる。教えたとしても1回までで、分からなくて2回目を聞くと嫌味を言われたり怒られる。
他にも「分からなかったら聞け!」聞く→「それくらい自分で考えろ!」考えて行動→「勝手にやるな!」その仕事はやらない→「分からなかったら聞け!」聞く→以降ループする。
結果、スキルアップの機会を与えられることが少なく、基本的には仕事に必要なことは独学で覚えていく。

ホワイト企業

労働者の定期的な研修や資格取得に力を入れていて、仕事の幅が広がるだけでなく、昇給して給与も上がる。
研修や資格に対して投資するという考えで、長期的なスキルアップを目指して会社で活躍してくれる人材に育てようとしてくれる。
残業がほぼなく、休日もしっかり休めたりして時間を確保できるので、スキルアップに充てられる。
上司や先輩にも余裕があり、分からない所があれば親身に教えてくれる。
結果、精神的に余裕が生まれ、自身のスキルアップや会社に貢献しようとする意欲が湧いてくる。

会社が社員に金銭の負担をさせているか

ブラック企業とホワイト企業には社員に金銭の負担をさせているかに違いがあります。

会社では社員に支払う給与以外にもさまざまな経費がかかっていますが、中には仕事に必要な道具であったり、社員同士で楽しむイベントなどの経費を自己負担をさせる会社があります。

ただ、自己負担させても、それが違法行為になるような法律上の規定はありません。この法律の抜け穴を利用したモラルのない悪質な会社には注意が必要です。

ブラック企業

社員に制服や仕事道具、資格試験、宿泊費、交通費、飲み会など会社に関わる経費を自己負担させる。
退職の際に、自己負担した制服、仕事道具を渡すように要求される。

ホワイト企業

社員の制服や仕事道具、出張費、飲み会などを経費として会社が負担している。

ノルマが達成可能であるか

ブラック企業とホワイト企業には設定されたノルマが達成可能であるかに違いがあります。

会社の業績を上げていくには社員にノルマの設定が必要です。

ただ、業績ばかりを気にして社員の数やスキルを考えずに何でもかんでも仕事を請け負うとノルマの設定が高くなります。

他にも求人に仕事内容の割りに「頑張れば月給100万円目指せます!」と高額な給与をアピールしている所は、明らかに普通ではないので高いノルマがあると思って下さい。

ブラック企業

ノルマの設定がスキル以上の仕事を振られ、期限もギリギリもしくは絶対に間に合わないものばかりで達成が困難。
当然達成できないと、上司から詰められたり、人事評価が下がるので残業や休日出勤(未払い)が常態化している。
わざと達成困難なノルマを設定することで、人事評価を下げて給与を上げさせないこともある。
求人に仕事内容の割りに高額な給与をアピールしている。

ホワイト企業

ノルマの設定がスキルに応じた仕事を割り振られるので、達成可能な範囲。

労働者の権利

ブラック企業とホワイト企業には労働者の権利に違いがあります。

労働者の権利が損なわれないように労働者は会社に労働条件の改善などを目的として結成する団体「労働組合」をつくることができます。

権利が損なわれる例としては有給を取得させない、正当な理由がない不当な解雇、降格、減給、異動、嫌がらせなどの不利益な扱いをすることです。

労働組合が存在していない会社は労働者を軽視し、不当な扱いでも従順な人しかいないブラックな会社の可能性が高いです。

労働組合がない会社で組合をつくる為の条件が満たせない場合は、「社外の合同労組(ユニオン)に加入する」「労働基準監督署に通報する」「弁護士に相談する」ことで解決できる可能性があります。

ブラック企業

権利を主張する前に義務を果たすことが当然という考えなので、有給を取得させない、正当な理由がない不当な解雇、降格、減給、異動、嫌がらせなどの不利益な扱いをする。
労働者を軽視し、不当な扱いでも従順な人しかいない。

ホワイト企業

労働者の権利が損なわれないように労働組合が存在し、コンプライアンスに遵守した働き方をさせている。

離職率

ブラック企業とホワイト企業には離職率に違いがあります。

離職率は単純に会社への満足度によって変わり、基本的には給与、福利厚生、人間関係、やりがい、労働時間の長さなどが関わってきます。

会社への不満がある要素が多いほど、体力的にも精神的にも追い詰められて続けられなくなり、最終的に辞めてしまうことに繋がります。

離職率の高さを簡単に見きわめる方法として、求人で大量採用をかけているかどうかです。大量に採用するということは裏を返せば直ぐに人が辞めていくので、過酷な労働環境に数名残ってくれることを見越した採用方法をとっています。

また、1年中いつでも求人を出している場合も危ないです。直ぐに人が辞めたり、誰も応募しないくらい条件が悪いことの表れとなっています。入社しても研修期間もなしに即戦力としていきなり現場に入れられることが多いです。

ブラック企業

離職率が高い:給与、福利厚生、人間関係、やりがい、労働時間の長さなどの満足度が低く、慢性的な人手不足の非常に不安定な職場環境。
求人で大量採用をかけていたり、1年中いつでも求人が出ている会社は離職率が高いことの表れ。

ホワイト企業

離職率が低い:給与、福利厚生、人間関係、やりがい、労働時間の長さなどが総合的に満足度が高く、安定した職場環境。

災害時の社員への対応

ブラック企業とホワイト企業には災害時の社員への対応に違いがあります。

ここでの災害は自然災害と労働災害と2つの事を指しています。

最近日本では異常気象により地震、台風、大雨、洪水、大雪などの自然災害が頻発するようになり、私たちの生活に支障をきたしています。

また、職場での危険な作業によって起こる労働災害も少し気を抜けば生死に関わってきます。

いずれの災害に巻き込まれないように会社側できちんと社員の安全を確保することができるはずです。

ブラック企業

自然災害があっても社員の安全より会社の利益を優先するので、通常通り出勤をさせる。
なんとしても出勤させるために前日に会社や近場のホテルに宿泊するよう命令する。
勤務中に災害が起きたとしても避難させず、少し時間が経てば続けさせる。
全ての従業員に避難訓練を参加させていなかったり、避難経路を教えていない。
日常的に警報機が誤作動することが多く、消防から指導が入っても直そうともしないので実際に災害が起きた時には逃げ遅れて死傷者が出る。
生死に関わる危険な作業を1人でさせている。
常時使用する労働者が50人以上の事業場なのに安全衛生委員会を設置していない、もしくは安全点検していない。

ホワイト企業

社員の安全を第一に考えていて、自然災害が起きれば無理に出勤させないのと、帰れなくなる前に早めに帰宅させる。
勤務中に災害が起きたら真っ先に逃げるように指示する。
全ての従業員に避難訓練を参加させて、避難経路を教えている。
生死に関わる危険な作業には2人以上で取り組んでいる。
安全衛生委員会を設置してあり、定期的に安全点検を実施している。

社員を信頼しているか

ブラック企業とホワイト企業には社員を信頼しているかに違いがあります。

社員を信用していないと、あの手この手で行動を監視しようとし、息苦しさによる精神的苦痛を感じることでしょう。

ブラック企業

社員を信用していないので、営業職は会社用の携帯電話にあるGPS機能から常に居場所を監視。
業務内容を事細かにどこで何をしたかを常に報告しなければならない。

ホワイト企業

社員を信用しているので、管理体制が負担にならないよう必要最低限となっている。

社員への洗脳

ブラック企業とホワイト企業には社員への洗脳があるかに違いがあります。

会社は業績を上げる為に社員には頑張ってもらうことが大切ですが、社員の自由意志や尊厳を奪ってまでも会社に尽くす奴隷をつくりあげる洗脳行為は法律的には問題がなくても決して許容してはならないことです。

ブラック企業

毎朝社訓を大きな声で読み上げるなど、繰り返し行うことで慣れさせ、何かがおかしいと考えないようにさせる。
社長やその家族を褒めたたえるエピソードを話す洗脳済みの上司や先輩がいる。
主な洗脳方法は、些細なミスや気に入らない事でも指摘して恫喝、また大勢の社員の前で謝罪させることで、人格否定して精神的に追い詰め自己肯定感と判断力を奪い、会社の理想を刷り込ませることで従順な奴隷がつくられる。
洗脳された社員は攻撃的な性格になりやすく、部下や後輩に同じことを繰り返す。
入社直後にある数日間泊りで行う研修では、早朝から夜中までみっちりと講義と実務練習をさせている会社は要注意。

ホワイト企業

毎朝社訓を大きな声で読み上げるなど、会社の理想を押しつけるようなことはしない。
社員個人の自由な考えを尊重し、それが会社の成長に関わることだと知っている。

パワハラやセクハラなどのハラスメントの有無

ブラック企業とホワイト企業にはハラスメントの有無があるかに違いがあります。

ハラスメントには、性的な言動(セクシャルハラスメント)、暴力的な言動(パワーハラスメント)、妊娠や出産を良しとしない言動(マタニティハラスメント)、配偶者の妊娠・出産・育児に参加する男性を良しとしない言動(パタニティハラスメント)、アルコール類を無理に飲ませる(アルコールハラスメント)、内定を出す代わりに就職活動を終わらせる(終われハラスメント)、常識を挙げて非難する言動(モラルハラスメント)などさまざまな種類があります。

これらのハラスメントが常態化している会社では、コミュニケーションや指導の一環と捉えており、相手が不快な思いをすることに対して鈍感になっています。

近年ではようやくハラスメントが問題視されるようになり、会社で厳しく指導したり、相談窓口や労働組合のような相談できる場所が会社に設置されました。

ブラック企業

ハラスメントが常態化し、誰も注意できる人がいない、相談できる窓口や労働組合がない。

ホワイト企業

ハラスメントが起こらないように厳しく指導したり、相談できる窓口や労働組合がある。

最後に

ここまでブラック企業とホワイト企業の違いを様々なポイントごとに紹介してきましたが、ただ間違いなく言えるのは、大企業であろうともブラック企業はありますし、小さな中小企業でもホワイト企業はあるということです。

会社がブラックかホワイトかは一般的には先に紹介した通りですが、就職活動で全てきちんと満たした会社を見つけることはなかなか難しく、例えば「給与が高いけど遅い時間までバリバリ働けます!」とか「給与が安い代わりに人間関係や福利厚生がしっかりした会社で働きたい!」という自分の働くスタイルや価値観に合わせてみるのも良いと思います。

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