皆さんこんなことに遭ったことはないでしょうか。
求人には給与では月収22万円と書いてあったのに、実際に入社してみたら月収16万円だった。
アットホームな職場と書いてあって従業員の人間関係は良好だと思っていたけれど、入社すると毎日怒鳴り声や人の悪口ばかりで人間関係が最悪。
残業はありませんと書いてあったのに、毎日何時間もサービス残業だったなど。
求人に書いてあることと実際と話が違うじゃないか!と言いたくなります。しかも職歴にも傷が付くし、そのための労力や時間、お金もかかってしまったなど全てが無駄になってしまいます。
これが俗に「求人詐欺」と言われているやつです。
では求人詐欺に遭わないためにはどのようなポイントに気を付ければ良いのかを解説していきます。
「アットホームな職場」は人間関係や給与、福利厚生などが色々最悪
求人詐欺によくあるのが職場紹介欄に「アットホームな職場」というワードを記載している会社は要注意です。
それは真逆の人間関係が最悪の事例が多いからです。
「アットホームな職場」と聞くと働きやすそうな環境だなと思ったりしますが、実際は職場の発言力のある人が無理やりに自分の気持ち良くなるための雰囲気作りをしたり、周りが合わせている状況になっている場合があります。
求人に写真が掲載されているとわかりやすいですが、厳つくて怖そうな人達だったり、物凄く表情が渋い人達だったりと写真だけでも「アットホームな職場」とあまりにもかけ離れた雰囲気の写真を掲載している求人があるので、気を付けた方が良いでしょう。
これらの異様な職場の環境に合わせられない人は、パワハラやいじめによって精神的に追い詰められて退職せざるを得なくなります。
また、人間関係が最悪以外にも「アットホームな職場」と言うワードの裏には低い給与、福利厚生がほとんどない、休日が少ない、長時間残業など他が壊滅的すぎて、そこをごまかす為に「アットホームな職場」と言う数値で表せない曖昧な表現を使います。そうでもしないと人が募集して来ないからです。
基本的に「アットホームな職場」で募集をかけている求人は99%危ない職場だと思って下さい。
給与の振れ幅が大きい
求人の給与が記載されいる欄に注目してみると給与の振れ幅が大きい会社は注意が必要です。
例えば「月収16~32万円」と記載されていたとしましょう。始めは16万円でそこから徐々に昇給していくと普通は思いますが、実際は16万から残業手当や深夜残業手当、その他諸手当を足していくことで月収32万円にするという意味なので、決して昇給して週5日の1日8時間労働で月収32万円になるという事ではないのです。
つまり体と精神が壊れるくらいに長時間働かなければそのくらいの給与にはならないという事を表しています。
会社によってはずっと昇給がないまま、手当てだけで稼がせる手法を使い続ける所もあります。
嘘をついている訳ではないですが、普通の人ではとても耐えられる職場環境ではないという事が覗えます。
賞与(ボーナス)の支給実績が記載されていない
求人に賞与(ボーナス)の支給実績を記載していない会社があれば注意が必要です。
賞与(ボーナス)は法律では特に定めがありませんので、支給してもしなくても各会社の自由となっています。その為、中小企業では賞与を支給するだけでも「マシだ」「有り難いだろ」「感謝しろ」という認識の経営者も多くいるので、年間数万円しか支給されない会社もなかにはあります。
最近では求人には賞与の具体的な金額については書いてはいけないことになっていて、実際の金額と違うと求人広告を掲載する企業やサイトにクレームが入ることになるからです。
求人を見る際には過去の賞与の支給実績「基本給の~カ月分」と記載されているかを確認しましょう
賞与(ボーナス)は基本給の数カ月分(会社によって異なる)を掛けて支給される制度になっています。
ただ「基本給の~カ月分」でも注意しておいてもらいたいことがあります。
某引っ越し業者の従業員が「基本給6万円は不当」だということで会社に制度の改善を要求したのをニュースでも取り上げられたことがありました。この会社は基本給が低い代わりに手当を多くすることで、従業員が生計を立てられるようになっているみたいです。
例えば基本給18万円で2カ月分だと18×2=36万円になります。
では基本給6万円の2か月分で考えると6×2=12万円になるので、この場合は基本給を低くすることで賞与自体も低く抑えることができるわけです。
なので、「賞与の支給実績があるのか」「基本給はいくらなのか」をきちんと確認しておきましょう。
週休二日制は週2日必ず休めるわけではない
求人に「週休二日制」と記載されている場合も注意が必要です。
週休二日制と聞いて普通なら週2日必ず休めるという意味だと思いますが、実際の意味ではそうではありません。
週2日必ず休めるのは「完全週休二日制」のことを言います。
もう少し詳しく解説すると
「週休2日制」は“1カ月の間に週2日の休みがある週が1度以上ある制度”のことを言います。週2日の休みが必ずあるのではなく、残った週の休みは全て週1日しかないこともあるので注意しなければいけません。それで年間休日が105日未満であれば違法の可能性がある会社です。
一方、「完全週休2日制」は”毎週必ず2日間の休みがある制度”のことを言います。休みである2日間が土日とは限らず、月と火、火と木、金と土など組み合わせは何でもいいので、とりあえず隔週に2日は必ず入っていればOKとなっています。
これらの制度の意味を知らない人は引っかかってしまいがちなので、「完全週休二日制・土日祝休み」など求人に記載がない場合は採用担当者にしっかりと確認しておきましょう。
正社員登用制度で実績があるのか
求人に「正社員登用制度あり」と記載されている会社には過去に実績があるかどうかを注意していただきたいです。
正社員登用制度は”主にアルバイトやパート、契約社員、準社員などの非正規雇用から正社員への雇用転換を行う制度”です。非正規労働者は会社の試験を申請して合格すれば正社員として雇用されます。ただ、正社員になるということは会社は給与や福利厚生の負担が増えることになりますので、人件費を抑えたいと思っている所は少なくありません。そうなると、求人に「正社員登用制度あり」と記載して”非正規労働者から頑張って正社員になれますよ”と思わせて、実際は正社員にする気はさらさらないのに人参をぶら下げて低賃金でこき使い続けるといった制度を悪用する会社が出てきます。
さらに2018年4月からは”有期契約である非正規労働者が契約期間が5年を超えれば、無期契約に転換される”取り決めが実施されたとのことですが、これにも注意が必要です。
普通は自動的に正社員になれると思いがちですが、ポイントは”無期契約に転換される”なので会社は正社員にする必要がないのです。同じ無期契約でありながら非正規の準社員という形態で雇うことも可能なので、一生正社員にしないままで雇い続けることで、会社は正社員でかかる人件費を抑えることができるのです。
このように人件費を抑えるためには真面目に働く労働者のことを何とも思っていない会社もあるので、過去に正社員登用制度でどれくらいの実績があるのかをHPや採用担当者にしっかりと確認しておきましょう。
最後に
折角新しい職場で頑張って働こうとした矢先に求人に書いてあった内容と全然違う言わゆる「求人詐欺」に遭ってしまって嫌な思いをするなんて誰もが絶対にしたくないはずです。
そうならない為にも求人広告に記載されている内容に「曖昧な表現を使っていないか」「具体的な数字が書いてある」「過去の実績があるか」などを疑ってよく確認しておきましょう。
気になるなら面接時に採用担当者に聞いてみるのもありだと思います。もしそれで相手が失礼とか無礼とかで不採用にしてきたらブラック企業の可能性があるので、気を落とさずむしろ入社しなくて良かったと思って下さい。
今回紹介した求人詐欺の騙されやすいポイントに十分に注意して就職活動で良い結果が出せるように応援しています。
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