連日不正問題のニュースが次々と発覚している中古車販売・買取業者「ビッグモーター」。
CMの誠実かつコミカルな印象とは裏腹に、顧客の預かった車を故意に傷つけたり、修理したフリなどをして保険金を不正に請求していた事が発覚し、隠されていたブラック企業の一面が公に晒される事となりました。
不正請求以外にも明らかになった不正がどんどん出てきて、最早会社として機能していない域にまで達しています。
今まで数多くのブラック企業がありましたが「キングオブブラック(ブラック企業の頂点)」と言っても過言ではありません。
ブラック企業のイメージがよくわからない人はまさに「ビッグモーター」がそれだと思って下さい。
特に社会人経験のない新社会人・大学生やブラックかもしれないと思われる企業に勤めている人はブラック企業に属さないようにしましょう。
本記事ではビッグモーターの悪行一覧と、ブラック企業を辞めた方が良い理由と対処法を紹介します。
「ビッグモーター」とは
「株式会社ビッグモーター」とは、昭和53年5月に創業した売上高7000億円、従業員数6000名、全国300店舗以上を展開している中古車販売・買取会社です。
販売から買取の他にも車検・一般整備及び鈑金塗装業務・損害保険代理店などの自動車関連全般のサービスを提供する「ワンストップショッピング型」の店舗として営業。
キャッチフレーズは「買取台数6年連続日本一」と「やっぱりビッグが一番」。
現代表取締役社長は和泉伸二(前社長)、代表取締役副社長は石橋光(前副社長)。
ビッグモーター事件によって辞任する2023年7月26日以前は代表取締役社長は兼重宏行、代表取締役副社長は兼重宏一の実質親子で会社を経営していました。
1976年1月に山口県岩国市に兼重オートセンターを創業。
1980年2月に株式会社ビッグモーターに商号を変更。
2005年4月25日に関西地区の老舗の中古車ディーラー「ハナテン」を買収してグループ傘下にしたのち店舗数を拡大。
2016年3月1日に同店のフランチャイズ店を含めた全店舗を「ビッグモーター」に転換。
2023年7月に保険金の不正請求が発覚したことで、次々と他の不正問題も世間に知られることとなり、創業者の兼重宏行が7月26日付で代表取締役社長と副社長の兼重宏一が辞任。
CMキャラクターには俳優の西村雅彦、大森南朋、佐藤隆太が起用されていましたが、不正問題が明るみになった事で放送中止となりました。
ビッグモーターの悪行一覧
実際にビッグモーターが行ってきた悪行の数々を紹介していきます。
これを見れば何故「キングオブブラック」と呼んでいるかが分かるはずですので見ていきましょう。
保険金不正請求(詐欺)
ビッグモーター事件が世間に知られる発端となったのが「保険金不正請求」です。
ビッグモーターでは従業員が靴下にゴルフボールを入れて車体を叩いて修理箇所を拡大したり、ドライバーやヤスリを使って傷を付けたりなどの故意に破壊して車の修理費用を水増し、損害保険会社に不正に保険金を請求していました。
調査した2022年11月から7月までの保険金申請8427件のうち、被害は少なくとも1,275件、請求総額4,995万円で1件当たり約4万円の不正請求をしていた事になります。
売上のためならば、客の車も平気で壊す罪悪感の欠片もない異様な業務体系であったと言えます。
パワハラ(暴言・暴力)
社員への日常的なパワーハラスメントが当たり前に行われている支配的な社内風土も問題視されています。
発覚している社員に対してパワハラは複数あります。
- グループLINEでストレスによる適応障害で休職中の社員を「退職させよう」との書き込みをする社員。
- 新型コロナウイルスに感染した社員が当時、定めていた7日間の自宅療養を行うことが報告されると、ある社員が「5日でよくない?」と療養期間を短くさせようとした。
- 上司は、社内の手続きに従わず取引を行い損失を出したとして、部下に損失額を支払いよう要求し給料から天引きした。
- LINEで店長が「殺すぞ」と罵倒したメッセージが41件も送ってきたこと。
- 作業が終わらなかった社員に対して暴力をしたこと。
- 毎日行っている朝礼での“読み上げ”や「社内恋愛は2度目まで、3度目は左遷をする」「店長には営業マンの生殺与奪権を与える」と支配的ないびつな社内ルールが存在している。
- 前副社長の宏一氏の店舗訪問時には「大きな声で挨拶」「全力疾走でお出迎え」、さらには「頻繁な人事異動・降格」は自由自在。
また、パワハラは従業員だけでなく、利用している顧客や下請け業者でさえも被害に遭っていたとのことです。
- 車のエアコンの修理を依頼した顧客に、修理を終えたので代金の支払いを済ませたあとに追加料金を要求してきた事です。この時エアコンの修理代金を支払いをしたのにエアコン直していなかったことが判明。
- 下請け業者に本来請け負っていない草むしりをさせたり、下請け業者が所有する車に対して車検をビッグモーターで行わないとペナルティーが科したりしていた。
他にもまだまだパワハラが存在していると思われます。
前社長の宏行氏もパワハラ体質であったが、店舗の清掃状況などをチェックする環境整備点検で、強権を発動した兼重宏一前副社長らによってさらに強まっていったとされています。
店舗前の街路樹を無断で除草剤撒く・伐採行為
ビッグモーターの店舗前にある街路樹を無断で除草剤撒く・伐採行為も大きな問題としてメディアに取り上げられました。
何故かビッグモータの店舗前だけ街路樹が不自然に枯れていたり、伐採されているのが複数の店舗で確認されており、後に土の成分を分析した結果除草剤が使われていたことが発覚。
ビッグモーター側は店舗前に街路樹があるせいで、展示している車が外から見えづらい、見栄えが悪いという理由で除草剤を撒いて枯らしたり、伐採したとのことで、それらを社員に指示していたいました。
本来、街路樹は車道と歩道の間は道路区域にあたり、道路管理者(主に県や市などの自治体)の土地として管理されています。
もし伐採などをしなければいけない正当な理由が存在する場合は、自治体に申請書を提出する必要がありますが、ビッグモーターは無断で行っています。
場合によっては除草剤で枯れた木が倒れて人に落ちてくる可能性もあるので、かなり悪質かつ危険な行為だったと言えます。
サクラ疑惑
ビッグモーターはGoogleマップにある口コミに意図的に高い評価を付ける、いわゆる”サクラ”を前副社長の宏一氏が各店舗の店長に指示していたことも明らかになりました。
しかもサクラをしない店長には脅しをかけて無理やりにでも実行させる脅迫行為もしています。
他にもビッグモーターの問題が明るみになった後に、評判が落ちているかかわらず、新店舗オープンで高評価レビューが付いているサクラ疑惑が浮上。
上記画像は秋田店のビッグモーターの新店舗がオープンした時の口コミレビューで、店員の具体名を出しているが、その内容はビッグモーターを不自然に持ち上げているかの不自然な文面でコピペされたものです。(20023年8月現在は隠ぺいの為か、Googleマップにビッグモーターの全店舗の登録が削除されているので閲覧不可)
この高評価のコメントを投稿しているユーザーは他に口コミをほとんど投稿していない、”捨て垢”と言われる意図的に評価を操作するためのものを使っている可能性が高いとされています。
ビッグモーターでは、会社に忠誠を誓わない・ノルマを達成できない社員は人事評価を下げるので、自身の評価を上げる為に必死に”サクラ投稿”をせざる負えない環境になっています。
顧客に対しても悪質な行為を繰り返していたので、評判が悪いレビューに対してサクラをすることで今まで誤魔化していたにすぎないのです。
客を装い営業妨害
ビッグモーターに何度も営業妨害された経験があるという他社で買取営業をしていた社員は、客の名前を騙り、予定していた査定日時のアポを勝手にキャンセルされ、ビッグモーター側が買い取るように操作していたとのことです。
他にもビッグモーターの社員は他社の買い取りが決まった後に、契約をご破算にさせる為に、上司が客の車に傷をつけろと指示がされていました。
不正転売
パワハラ体質のよる過度なノルマはフリマサイトを使ったカー用品の販売でも行われており、その中には客から無断で部品を売っていたとのことです。
その手口は、本来交換の必要がない部品を車検の見積もりに計上し、実際にはその部品を交換しないまま車を客に返却、そして新品の部品をフリマサイトにて転売して利益を得るというもの。
ノルマ達成の為には不正転売でも何でもやらないとビッグモーターではやっていけない社内風土がこのような犯罪を常態化させていったのだと思われます。
社員の給料を未払い・罰金・負担させる
ビッグモーターの過度なノルマがある社員は達成できない場合には厳しいペナルティーが科せられます。
そのうちの1つに「社員の給料0円」があります。
当時店長だったAさんは明細を見ると出勤日数は22日なのに支給額は「0円」。
エリア担当の直属の上司には無視され、別の担当社員にも訴えたことでようやく給料は振り込まれたが、支給額の半分ほどを占めていた「歩合給」は全てカットされていたそうです。
理由は「担当する店舗で不祥事が出たから、その監督責任は全て店長が取る」というもの。
Aさんが訴えなかったらそのまま給料未払いで済ませようとしていたという事になります。
他にも売上ノルマを達成できない場合は店長から罰金を徴収をしたり、営業マンは車を販売する際に顧客が希望するナンバーの代金などを無料にすることで、契約を結びやすくしていたが、その代金は自腹で負担していたことがわかりました。
整備不良(不正請求)
保険金の不正請求でビッグモーターの実態が明らかになりましたが、その際に整備不良のまま顧客に返却したり、販売している事実も判明しました。
ビッグモーターで中古車を購入した客は、頼んでもいないETCが2台付いていたり、タイヤのひび割れやコーティングがされていないなど、整備不良の車をあたかも整備されているとして書面に記載にし、販売していたのです。
つまり不正請求をしていた事になります。
その他にも車検点検中に誤って壊してしまったのを、最初から壊れていた事にして客に請求をかけていたこともあったそうです。
ナンバー無しで公道走行
車両にナンバープレートを付けない状態で、公道を走行していた事も判明しています。
ナンバープレートの代わりに社名と会社のロゴが入ったプレートを付けて公道を走行させている証拠画像が21年11月26日に撮影されています。
法律上、ナンバープレートの付いていない自動車は公道を走行することが禁止されており、画像でも分かるように仮ナンバーでもないので、立派な犯罪行為です。
ローンの借り換え
客が車を購入する際のローンで虚偽の説明が行われていたことも判明しています。
例えば、3年ローンや現金で購入を希望している人に対して支払期間が長く、金利も高いローンを9.9%・120回(=10年)で組ませるようにビッグモーター側が誘導します。
結果的に、手数料を含めた客の支払総額は増えてしまうことになります。
ビッグモーターは客に別のローンへの借り換えを提案して手数料が減ると説明するが、実際にはそれよりも多くを支払らわせています。
このように次々とローンを契約させることで、ローン会社から奨励金を受け取っていたという手口です。
前副社長の宏一氏が率先して指示を出し、こうした方法を講習会で指南していました。
社長が報道批判・LINEの証拠隠滅
前社長の兼重宏行氏が26日付で辞任しましたが、問題が発覚した後に報道批判とともとれる内容を各店舗の店長にLINEメッセージで送っていました。
「全社員の2パーセントに満たない一部の社員の過去の不祥事でも、世間の関心を集める為に会社全体の組織ぐるみだと決めつけて報道しています。会社も早期解消と信頼回復に全力で対応していきます。」
要約すると「自分達の組織の責任は一切なく、視聴率稼ぎのためにメディアが大げさに騒いで評判を下げるようと画策している。」と言っている訳です。
また、新社長の和泉氏が7月25日の会見後に全社員向けて「会社支給携帯に入っているLINEのアカウント削除をしてください」とメールを送付。さらに「改革の第一弾としてまず全店のLINEの使用をすべて止める」とする”証拠隠滅”ともみられる発言もしています。
企業のフリをした犯罪組織化している
ここまでビッグモーターのブラックすぎる悪行を紹介してきましたが、どれもこれも企業とは言い難い常識を超えた倫理観の欠片もない運営体制だったのが明らかになりました。
実験を握った社長親子のよる恐怖で社員を支配して奴隷のようにこき使い、利益を生むためなら顧客を騙して社員に犯罪をさせるのは最早企業ではなく、企業のフリをした「犯罪組織」と言ってもいいでしょう。
このようにブラック化が深刻になっている企業は、犯罪をしなければ利益を生み出せず、まともなノウハウも持ち合わせていないので、世間に悪行が知れ渡り評判が落ちたら再起は難しく、倒産するのは時間の問題となります。
ブラック企業に長くいてはいけない理由
ビッグモーターのようなブラック企業とはこういうものだと分かって頂けたと思いますが、このような所に勤めていても何もメリットはありません。
その理由としては以下の
- 同業他社に嫌われて転職で不利になる
- 犯罪に加担したとみなされ訴訟されたり、周りの親しい人達が離れていく
- 肉体的にも精神的にも限界が訪れ壊れてしまう(最悪死亡)
- 人を傷つけるのに躊躇いがなく、犯罪やハラスメントを平気でする人間になる
このような事になってしまい、デメリットしかないので速やかに離れた方が良いです。
他にもブラック企業の特徴を紹介した記事がありますので、よかったら参考にして下さい⇩
ブラック企業だと思ったら退職・転職が必須
結論としては「退職」または「転職」をして、環境を変える方法がオススメです。
転職にはこちらの「リクナビNEXT」「リクルートエージェント」「doda」「ビズリーチ」などの大手転職サービスに登録して、気になる求人情報を探してみましょう。
退職をしたくても言い出せない、言い出しづらいという方には代わりに退職の旨を伝え、退職に必要な連絡を代わりに行うサービス「退職代行」を利用してみましょう。
退職代行SARABAは退職代行業界NO.1の受託件数で2021年3月現在15,000人の退職代行をこなしています。
多くの退職代行会社は交渉ができませんが、SARABAは労働組合の為、未払い給料、残業代、有給消化の交渉が可能です。
万が一退職できなくても全額返金保証がついています。
金額も税込24,000円と利用しやすい金額で、24時間365日いつでも電話、ライン、メール相談可能です。(他社は深夜帯では電話が繋がらず、問い合わせしても返信が次の日にならないと返ってこない事が多い)
基本的に、5分以内に即返信なので、時間がかかることもありません。
断トツに1番人気の退職代行業者です。
弁護士の退職代行(弁護士法人みやび)は、弁護士が退職代行の手続きを代わりにしてくれるので、元来弁護士の資格を持たない業者が代行業務をした場合、無効となったり、懲戒解雇や損害賠償の対象になることがありません。
また、退職希望者の権利である「有給取得の交渉」「給与の未払いへの対応」「退職金の請求」「未払いの残業代の請求」などの請求が可能です。
全国どこでも24時間LINEやメールで無料相談に対応。引継ぎや私物引き取りまでやってくれます。
55,000円~と高額ではありますが、安心安全に確実に退職手続きを進めたいなら法律のプロである弁護士に代行業務を依頼するのが無難です。
コメント